こんにちは、いとまさです^^
2021年6月に自衛隊を退職して、今は、貯金を切り崩しながら自分のやりたいことをするという、充実した無職生活を送っています。
今この記事を読んでくれているあなたも、自衛隊を辞めて(一時的にでも)無職になる計画を立ており、その過程で、
雇用保険(失業保険)って、自衛官も使えるの?
自衛隊を退職した後、失業手当って貰えるのかな??
と、「自衛隊を退職してからの雇用保険」について、疑問や不明点が出てきたのではないでしょうか?
実際、自衛隊を辞めるにあたって、僕がこの雇用保険について調べた時も、分からないことだらけでした。
しかも、自衛隊(官)のために解説された雇用保険の記事は皆無だったため、かなり苦労して情報を集めたのを覚えています。
国家公務員共済組合のHPを読み漁り、ハーローワークに電話で問い合わせたりしましたね〜。懐かしい。
というわけで!
今回の記事では、過去の自分のように困ってる人のためになれば思い、「自衛隊における雇用保険」について、詳しくまとめました。
ただ、結論から言うと、
基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適応されない)
です。
このことについて、
「なぜ自衛隊に雇用保険がないのか」「雇用保険が適応される場合(例外)」
といったことも含めて、当時の自分が調べた知識や、実際に自衛隊を退職した経験をもとに、分かりやすく解説していきます。
当時の僕が知りたかった情報は、全て含んでます!
ぜひ最後まで読んで、自衛隊における雇用保険について、今ある疑問を解消してください^^
・自衛隊に雇用保険がない(適用されない)理由
・自衛隊でも雇用保険が適応される場合について
・雇用保険について確認する方法
そもそも雇用保険とは?
そもそも、”雇用保険とは何なのか” を理解している自衛官は少ないと思いますが、
雇用保険とは、労働者の雇用の安定を図るための公的保険
です。
そのため、雇用保険の給付(支援制度)には、
▷基本手当(失業給付金)・・失業中に、在職していた時期の給料や期間に応じた手当が支給される。
▷教育訓練給付金・・能力開発のための教育訓練において、受講費用の一部(最大70%)が支給される。
▷公共職業訓練・・就職に役立つ資格を無料で取得させてもらえる。
など
といった、”労働者がより良い環境で安定して働けるよう” 支援するものが多くあります。
この他にも「育児休業給付金」「介護休業給付金」などもあります。
参考:雇用保険制度の概要
この雇用保険の給付・支援制度は、ほんっと〜〜に手厚いです。
例えば、基本手当(失業給付金)であれば、20〜150万円の給付金を受け取ることができます。
給付金額は、個人の状況により大きく変わりますが、いずれにせよ、大きな金額です。
また、仕事に必要なスキルや資格は、公共職業訓練で無料で手に入れることが可能です。
休業するのであれば、育児休業給付金・介護休業給付金制度を利用し、給料の2/3の給付金を受け取ることができます。
さらに、就職サポートなどの制度も設けられています。
・・このように、労働者の雇用の安定を図るための雇用保険は、非常に手厚いものとなってます。
そして、このように手厚い保険で、利用できれば多くのメリットが得られるからこそ、多くの自衛官が、
ヤギ男
雇用保険(失業保険)って、自衛官も使えるの?
と、気になるのだと思います。
しかし、冒頭で書いたとおり、基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)です。
基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)
大事なことなので何度も言いますが、
基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)
です。
そのため、
自衛隊を退職した後は、しばらく基本手当(失業給付金)で生活するぞ〜!
と、考えている人は要注意です。
自衛隊を辞めて失業状態(無職)になっても、基本手当は支給されません。
もちろん、教育訓練給付金も無いですし、公共職業訓練で無料で資格を取ることもできません。
非常に残念なことではありますが、これが現実なので受け入れるしかありません。
僕もこの事実を知った時は、本当にショックでした・・。
ただこうなると、気になるのが、「なぜ自衛隊に雇用保険がない(適用されない)のか?」ですよね。
この ”自衛隊に雇用保険がない理由” は、これから解説していきます。
自衛隊に雇用保険がない理由
自衛隊に雇用保険がない理由は、
自衛隊は、雇用保険の根拠となる雇用保険法の適用外だから
です。
一部の民法や労働基準法が適用外であるように、雇用保険法も自衛隊には適用されません。
ちなみに、これは自衛隊だけの話ではなく、基本的には全ての公務員が雇用保険法の適用外です。
国家公務員や地方公務員は、雇用保険法の適用の対象外となっているため、公務員を退職しても失業給付を受けることはできません。
出典:国家公務員共済組合連合会
では、なぜ自衛隊(公務員)は、雇用保険法の適用外となるのか?
それは、
① 他の職業と比べて安定している
② 退職手当(=退職金)が高い
という、2つの特徴があるからです。
まず1つ目の特徴ですが、雇用保険法が適用される一般労働者の仕事と比べて、自衛隊(公務員)という仕事は非常に安定しています。
たとえば、一般の企業では経済の動向によって雇用状況が左右されますが、自衛隊の雇用状況は経済の影響を受けづらいです。
また、自衛隊の場合は、雇用先が倒産し失業となるケースもありません。
次に2つ目の特徴として、退職手当(=退職金)が高いことが挙げられます。
退職金の額は、個人の状況によって変わりますが、平均的に一般企業のものより高いとされています。
そもそも退職金のない企業もあるしね。
そして、自衛隊(公務員)の退職金が高い理由は、それが失業給付金の役割も担っているからです。
つまり、自衛隊の退職金には、雇用保険の基本手当(失業給付金)も含まれているとも言えます。
このように、自衛隊(公務員)には、「安定した仕事」「退職金は失業給付金も含まれていて高い」という特徴があり、そのため雇用保険の適用外となっています。
すでに安定しているから、”労働者の雇用の安定を図るための公的保険” は必要ないってことですね。
例外(雇用保険が適用される場合)もある
上記した理由により、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)ですが、
例外(雇用保険が適用される場合)もあります。
次の項目で、この例外について解説していきます。
例外として、退職金が少ない場合は雇用保険が適用される
基本的に、自衛隊には雇用保険は適用されませんが、
例外として、退職金が少ない場合には、雇用保険が適用されます。
厳密に言うと、退職金が雇用保険の基本手当の額より少ない場合、その差額を受給することができます。
例えば・・
(俸給20万円、勤続3年で計算)
退職金の額:301,320円
雇用保険の基本手当:439,830円
退職金と基本手当の差:138,510円
138,510円が受給可能
このように、退職金が基本手当の額より少ない場合、その差額を雇用保険で受給できますが、
その理由は、退職金が失業給付金の役割を担えてないからでしょう。
”自衛隊に雇用保険がない理由” で記したとおり、自衛隊の退職金は、失業給付金も含まれているため、比較的高いです。
しかし、この退職金の額は、個人の状況(主に勤務年数)により大きく変化します。
そして、人によっては、雇用保険の基本手当を下回ってしまう(失業給付金の役割を担えない)ということがおこります。
このような時に、雇用保険は適用となり、その差額が受給できます。
僕の計算では、4年以内に辞める人であれば、退職金が雇用保険の基本手当を下回ってしまうはずです。
この ”退職金が基本手当の額より少ない場合” は、失業給付金の役割を担えていない状態であり、
「自衛隊の退職金は、失業給付金も含まれていて高いから、雇用保険は適用外」
という前提が成り立たなくなるからですね。
このように、基本は自衛隊に雇用保険はない(適用されない)ですが、例外として、
退職金が基本手当の額より少ない場合、その差額を雇用保険で受給することができます。
雇用保険が適用されるかは、経理に確認するのが確実!
ここまで、
・基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)
・例外として、退職金が少ない場合は雇用保険が適用される
と書いてきました。
ここで気になるのが、
僕の場合、雇用保険は適用されるの?
基本手当(失業保険)は受け取れるの??
という、「自衛隊を辞めた後、自分に雇用保険が適用されるかどうか」ではないでしょうか?
あなたが自衛隊を辞めて、雇用保険が適用されるかどうかを確認する方法は、以下の2つです。
① 自分で計算する
② 経理に聞いて確認する
まず、1つ目の方法として、自分で計算をして確認をすることもできます。
基本的に、
退職金 < 雇用保険の基本手当(失業給付金)
であれば、雇用保険は適用となり差額が受給できるので、確認に必要なのは、この両方の金額だけです。
そして、Keisanというサイトで、退職金の額も雇用保険の基本手当の額も、自分で計算することができます。
なので、「自衛隊を辞めた後、自分に雇用保険が適用されるかどうか」は、自分で計算をして確認することができます。
▷Keisan【https://keisan.casio.jp】
2つ目の方法が、”経理に聞いて確認する” という方法です。
厚生隊(自分の隊ではありません)の経理にお願いすれば、退職金の額を計算してくれます。
また、「その退職金の額が、雇用保険の基本手当の額を上回っているかどうか」も、合わせて確認してもらえます。
なので、自分で計算するより労力も少なく、そして、専門の方が対応してくれるので、より確実でもあります。
僕は、この「厚生隊の経理班で確認できる」という事実を知らず、自分で退職金を計算してハローワークに問い合わせをしたりしました。苦笑
これは知っておきたかった・・。
このように、「雇用保険が適用されるかどうか」を確認する方法は、2つあります。
しかし、自分の情報に対して誤解がある場合、自分で計算して確認する方法では、間違いが発生する可能性があります。
実際、僕は自分で計算する時に、退職金及び失業手当に関わる ”自分の勤続年数(高等工科学校在学期間)” を誤解していました。
一方、経理に聞いて確認をする場合、経理担当者は ”退職金及び失業手当金に関わる情報” をしっかり確かめた上で、
「公用保険が適用されるかどうか」を計算・確認してくれるので、間違いがありません。
そのため、「雇用保険が適用されるかどうか」は、厚生隊の経理担当者を訪ねて確認する方法が確実でオススメです。
水面下で準備を整えたり、職場の雰囲気で聞きにくい場合、自分で計算するのもアリだと思います。
ただ、それでも最後は、経理担当者のところで確認してもらってください。
まとめ
・雇用保険とは、労働者の雇用の安定を図るための公的保険
・基本的には、自衛隊に雇用保険はない(適用されない)
・自衛隊に雇用保険がない理由は「自衛隊は雇用保険法の適用外だから」
・例外として、退職金が少ない場合は雇用保険が適用される
・雇用保険が適用されるかは、経理に確認するのが確実!
以上の「自衛隊における雇用保険」についての情報は、退職しようと考えている自衛官なら絶対知っておいたほうがいいです。
逆に、これさえ知っておけば、雇用保険については問題ないと思います。
現に、過去の自分の知りたかったこと・知っておくべきだったことは、全てこの記事にまとめました!
今回の雇用保険もそうですが、世の中には知って得する情報や制度が多くあります。
あなたの選択が、転職なのか退職なのかは分かりませんが、いずれにせよ、使えるものは使って、賢く次のステップに踏み出してください^^
退職して無職になるなら、僕の無職生活にまとめた記事が参考になるかもしれません。
よかったら参考にしてください^^
転職なら、自衛隊を辞める前に転職活動をした方が絶対いいです!
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください^^