こんにちは、いとまさです^^
今回の記事では、”自衛隊と常識” についてまとめました。
現役の自衛官や自衛隊と接点を持つ人の中には、自衛隊では当たり前、または常識とされている習慣・行動を見て、
自衛隊って常識ないよな・・。
と、呆れてしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか?
また逆に、このような人が「自衛隊は常識がない」と言ってるのを聞き、
自衛隊って常識ないの・・?!
と、心配になっている人(現役自衛官や自衛官の恋人など)もいると思います。
このような人たちが ”自衛隊と常識” について考える際、今回の記事は、非常に参考になると自負しています。
ただ、結論から言うと、
「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてる」だけ
です。
このことについて、自衛隊で10年以上勤務した後に退職し、自衛隊の中も外も見てきた僕の経験をもとに、詳しく解説します。
最後まで読むことで、「自衛隊は常識がないのではなく、常識が違うだけ」ということが理解できると思います。
また、オマケとして、”自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動” も合わせて書いてます。
ぜひ参考にしてください^^
・自衛隊は常識がないのか?
・なぜ「自衛隊は常識がない」と感じるのか
・自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動
自衛隊にも常識はある
冒頭で、
「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてるだけ」
と書いたように、自衛隊にも常識はあります。
例えば、以下のことは、自衛官なら誰でも知っている常識です。
・会うたびに何度でも敬礼
・身分証は、財布やスマホ、鍵と同等の(もしくはそれ以上の)貴重品
・5分前行動(5分間は静止して待機)
・国旗掲揚時には、気をつけをして動かない
・政治的活動に関与しない
・職場へのスマホの持ち込みは処分の対象
など
このように、自衛隊にも、みんなが当たり前と知っている ”常識” はあります。
ただ、「この自衛隊の常識が、世間一般と比べてどうなのか?」それが大事なところですよね。
自衛隊と世間一般の”常識”は大きく違う
上記したとおり、自衛隊にも常識はあります。
しかし、この自衛隊の常識は、世間一般の常識とは大きく異なります。
世間一般の常識の代表例というと、以下のようなものです。
・会社外の人と話す時は、目上の人であっても身内の呼称は呼び捨て
・名刺は胸の高さに保持して、すぐにしまわない
・電話対応やメールの書き方を学んでいる
・手土産や席次のルールを把握している
・最低限のIT知識を有している(用語の意味が分かる)
・政治&経済のニュースやトレンドは頻繁にチェック
など
パッと見ても分かるとおり、世間一般の常識とは、ほとんどがビジネスに関係するものです。
多くの一般人(自衛隊以外の人)が、1日の大半の時間をビジネスの場で過ごしていることを考えると、不思議ではありません。
しかし、これらの常識は、ビジネスの場で働く多くの一般人にとっては当たり前であっても、自衛官にとってはそうではありません。
なぜなら、自衛隊員はビジネスマンではなく軍人であり、ビジネスの場で時間を過ごすことはないからです。
(厳密にいうと、自衛官は軍人ではなく、特別国家公務員ですが)
”ビジネスの場における当たり前の知識や習慣” が、世間一般(=一般人)の常識です。
そのため、そのビジネスの場に立つことのない人、つまり自衛官に、その常識は通用しません。
もちろん「逆もまた然り」で、自衛隊(軍人)の常識も、一般人には全く通用しません。
自衛隊と一般人では、常識が作られる前提条件が全く違うからです。
このように、自衛隊と一般人では環境が全く違うため、それぞれの ”常識” も大きく異なります。
そして、お互いの常識は、決して相手には通用しません。
むしろ、自分の常識が、非常識と捉えられることもあります。お互いにね。
「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてる」だけ
ここまで書いてきた2点、
1:自衛隊にも常識はある
2:ただ、自衛隊と世間一般の”常識”は大きく違う
について考えると、
「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてる」だけ
ということが、分かるのではないでしょうか?
そもそも、
「常識とは、”同じ(もしくは非常に似た)条件・環境下にいる人達による、共通の認識”」
だと、僕は思います。
”常識” が ”同じ条件・環境下にいる人達による共通の認識” であれば、
自衛隊と世間一般では、環境・条件が大きく違うのに、同じ常識ができるわけがないですよね。
つまり、自衛隊の常識が世間一般では通用しないこと、また逆に、世間一般の常識も自衛隊には通用しないことも、当たり前のことです。
それにも関わらず、僕たちはお互いに、自分達の常識が通用しない相手を「常識がない」と考えてしまがちです。
実際は、お互いの常識がかけ離れているだけなんですが。
このことを踏まえ、改めて結論を述べます。
「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてる」だけ
です。
ちょっぴり補足
今回の話と似たような例は、社会に多くあります。
例えば、異なる2つの宗教間において、その常識が違う場合に、お互いに「相手の常識がない」と言うこともできます。
しかしこれも、「どちらかの常識がない」というより、「お互いの常識がかけ離れているだけ」なんですよね。
イスラム教徒からしたら、豚肉を食べるなんて非常識な(常識のない)行為です。
しかし、豚肉を食べる日本人が、常識のない民族というわけではありませんよね。
やはりこれも、「お互いの常識がかけ離れているだけ」です。
世間一般の基準で判断すると、自衛隊は常識がないと感じる
上記したとおり、”自衛隊と常識” についての真実は、
「自衛隊は常識がないのではなく、自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてるだけ」
です。
しかし、どちらか一方の基準でのみ判断を行うと、もう一方に対して、常識がないように感じます。
世間一般の人の立場で判断を行うと、自衛隊は常識がないように感じますし、
逆に、自衛隊の立場で判断を行うと、世間一般の人は常識がないように感じます。
なので、
自衛隊って常識ないよな・・。
と感じる人は、世間一般の人の立場(世間一般の基準)で、自衛隊を判断しているのではないでしょうか?
自衛隊の立場から自衛隊を判断したなら、このようなことは思わない(思うことはできない)はずです。
このように、「常識があるのか・ないのか」は、どちらの立場に立って考えるかで変わり、世間一般の基準で判断した場合、自衛隊は常識がないと感じます。
自衛隊に(世間一般の)常識がないのは当たり前
「世間一般の基準で判断すると、自衛隊は常識がないと感じる」
と、言いました(書きました)が、
そもそも、自衛隊に(世間一般の)常識がないのは当たり前ではないでしょうか?
先に紹介した「自衛隊の常識」の他にも、自衛隊には、
・真冬でも上半身裸で早朝にランニング(+大声)
・反省としての体力錬成
・外出先でも集団行動
・地べたに座り込んでの食事
・体力的&精神的に過酷な訓練
・訓練時の食事の驚きのクオリティ(湯煎されてないレトルトや缶詰)
など
といった、世間一般の常識からは考えられないこと(非常識なこと)が多くあり、これらも「自衛隊は常識がない」と言われる要因だと思います。
特に各種訓練時は、非常識パーティだよね!
今振り返ると、冗談だと思うようなことばかりやってたような・・。笑
しかし、自衛隊自体、戦争や大規模災害といった、常識の通用しない=非常識な状態で活躍するための組織です。
そのため、日頃の生活や訓練も、そのような非常識な状態を想定したものなるのも当然でしょう。
そして、その非常識な状態を想定した生活や訓練が、一般人にとって「常識がない」ように映ることも当たり前です。
逆に、そう思われてなければ、自衛隊の存在意義を満たせてないわけです。
なので、自衛隊に(世間一般の)常識がないのは当たり前なことですし、
さらに言うと、「自衛隊は常識がない」と言われてることが、平和の証でもあると思います。
戦争とか有事の時には、自衛隊も世間一般も同じ環境(同じ常識)に置かれるからね。
自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動
ここまで書いてきた内容を踏まえて考えると、
自衛隊って常識ないよな・・。
と、言う人/感じる人は、自衛隊の常識が合っていないのだと思います。
それは、良くも悪くも、自衛隊ではなく世間一般(外の世界)の考え方をしているからでしょう。
あなたが自衛官でないなら、これは当たり前のことで、「自衛隊はそういうとこ」と理解するだけで済みます。
しかし、あなたが現役自衛官で、世間一般の考え方をしているのなら、このまま自衛隊で生きていくのは、非常に大変です。
自分ではおかしいと思うことを強制されたり、意見の合わない環境で孤立することも起こりえます。
この問題を解決するため、 ”自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動” として、以下の2つのことをオススメします。(どちらか一方)
① 自衛隊という組織に慣れる
② 自衛隊から転職/退職
この2つの ”自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動” について解説し、終わりとします。
① 自衛隊という組織に慣れる
まず1つ目は、「自衛隊という組織に”慣れる”」という、いたってシンプルな方法です。
自衛隊に(世間一般の)常識がない理由や、独自の習慣がある経緯を理解して受け入れ、自分を納得させる方法です。
実際、多くの自衛官が、このように自分を納得させて、自衛隊の常識(=世間一般の非常識)に対応して生きていると思います。
《郷に入れば郷に従え》と言われるように、環境に対応すること・慣れることも大事です。
ちなみに・・・
《郷に入れば郷に従え》という考え方は、”自己主張はせずに相手を立てる”といった日本人独特の考え方に感じますが、そうではありません。
欧米圏でも、
《When in Rome, Do as the Romans do》(ローマにいる時は、ローマ人のように振舞え)
という、同じような言葉があります。
「環境に対応することは大事」という、世界共通の考えなんですね。
② 自衛隊から転職/退職
2つ目の方法が、「自衛隊から転職する、もしくは退職する」という方法です。
自衛隊の常識を受け入れられない、または、自衛隊という環境に対応できないのであれば、
自衛隊から転職したり退職するのもアリ
だと思います。
自衛隊の存在意義を考えると、これから先も、自衛隊の常識と世間一般の常識が一致することはないでしょう。
つまり、「自衛隊は常識がない」という状態は変わりません。
そのため、この状態を受け入れられないのであれば、あなた自身で、自分の身を置く場所を変えるしかありません。
それが、自衛隊からの転職や退職です。
今は、転職エージェントや転職サイトも多くあり、これらを活用すれば自衛隊からの転職も難しくありません。
転職を考えるのであれば、これらのサービスも活用してください。
また、退職という道を選ぶのなら、僕の経験が参考になるかもしれません。
大きな決断にはなりますが、個人的には転職も退職もアリだと思います。
実際に転職しなくても、転職エージェント・サイトを利用することで、多くのメリットが得られます。
参考:今すぐ自衛隊を辞める気がなくても、転職サイト・エージェントには登録してた方がいいよって話。
なので、今すぐ転職・退職をするつもりがなくても、「とりあえず使っておく」 のはオススメです。
解説した2点、
① 自衛隊という組織に慣れる
② 自衛隊から転職/退職
このいずれかが、”自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動” だと、僕は思います。
まとめ
・「自衛隊は常識がない」のではなく、「自衛隊の常識は世間一般の常識とかけ離れてる」だけ
・世間一般の基準で判断すると、自衛隊は常識がないと感じる
・自衛隊の常識が合わない現役自衛官がとるべき行動
- 自衛隊という組織に慣れる
- 自衛隊からの/退職
以上が、”自衛隊と常識” についての僕の考えです。
現役自衛官が、他人に「自衛隊は常識がない」と言われても、気にする必要はありません。
実際には「常識がない」のではなく、「常識が違う」だけです。
自衛隊は、一般人とは大きく異なる特殊な環境にあるので、その常識が違うのは当たり前です。
そしてこれは、”どちらが正しい・どちらが優れている” という話ではありません。
大事なのは、「自分にとってどうか」です。
逆に、自衛隊の常識が ”あなたにとって” おかしいのであれば、外の世界を見てもいいのかもしれませんね^^
とても興味深い内容ですね、内容も同意いたします
私も陸上自衛隊を退官してから、違う仕事をしてますが
直近で、私が仕事や趣味で関わってる人たちや団体を見聞しても
国際的にも活躍することがある某プロスポーツの選手たち(THE 体育会系の極み)
地方公務員(真面目な人もいますが、かなり酷い人も多数で社会性も非常識なのがいる)
大学教授及び某史学会(師弟関係によるしがらみ&ライバルへの嫉妬&狭い社会なのでドロドロの争い)
大手メディア関係者(マスゴミと言われるのも伊達じゃないかなり非常識で酷い)
どこも何かしら非常識やマイルールで回ってるんですよね
非常識=自衛隊の構図は、長年に渡って日陰者で国民から認知されてこなかったため
正体がわからない奇異な集団だったことによる偏見から生まれたものだと思います
>喜楽さん
コメントありがとうございます^^
まさにおっしゃるとおりで、
各々の団体や集団はそれぞれが独自のルール(常識)を持っていて、
それが世間一般とは違うだけだと、僕は確信してます!
自分の常識と他人の常識が違う時に、
「あの人たちは非常識」と、ただただ否定するだけではなく、
「なぜこのようなことになっているのだろう」と、その理由に目を向けれるようになりたいものですね^^